阿寺山地 西股山(1716.6m)、卒塔婆山(1550m) 2012年4月7日  カウント:

所要時間 6:41 ゲート−−7:37 小川殿林道分岐−−7:46 「至卒塔婆山」作業道その1−−7:57 「至卒塔婆山」作業道その2−−8:21 分渡沢白川林道分岐−−8:35 山ノ神林道分岐−−8:51 ベロ沢林道分岐−−9:01 誤りに気付いて戻る−−9:05 ベロ沢林道分岐−−9:14 小沢林道分岐−−9:25 白川林道支線−−9:52 標高1500mで休憩 10:08−−11:01 町村界稜線を越える−−11:09 斜面取付−−11:22 西股山−−11:27 林道−−11:31 標高1640mで休憩 12:03−−12:42 分渡沢白川林道に合流−−12:51 小沢林道分岐−−12:55 ベロ沢林道分岐−−13:07 山ノ神林道分岐−−13:19 分渡沢白川林道分岐−−14:02 廃林道−−14:03 伐採地−−14:27 鹿避け柵−−14:45 卒塔婆山最高点−−14:53 卒塔婆山三角点−−15:02 伐採地−−15:16 廃林道−−15:18 分渡沢白川林道(休憩) 15:41−−15:56 白川林道−−16:09 小川殿林道分岐−−16:55 ゲート

場所長野県木曽郡上松町/王滝村
年月日2012年4月7日 残雪期日帰り
天候雪後晴
山行種類残雪期籔山
交通手段マイカー
駐車場ゲート付近に駐車スペースあり
登山道の有無西股山:たぶん無し(積雪でルート不明)
卒塔婆山:無し
籔の有無西股山:残雪で籔無し。無雪期は不明
卒塔婆山:激笹藪
危険個所の有無無し
山頂の展望どちらも樹林で展望無し
GPSトラックログ
(GPX形式)
無し
コメント 黒沢沿いの林道を延々と歩いて往復。地形図に書かれていないが西股山の東鞍部から北を巻くように林道が延長されており、山頂直下まで長距離の林道歩き。積雪で林道の詳細は不明だが大きく崩れた場所はなく、ゲートさえ無ければ山頂直下まで車で入れそう。ただし林道起点に施錠されたゲートがある。水平区間は自転車が有効利用できそう。残雪期に北斜面を登ったために籔の状況は不明だが、少なくとも山頂南斜面は盛大に笹が茂っていた。でも、林道から山頂まで短距離なので無雪期でも問題なかろう。

 卒塔婆山は林道に「至卒塔婆山」の標識が出た作業道入口があるが、たぶんどちらの道も標高1400m付近を巻く林道までで、その上部は道無し。南斜面は伐採地で籔は比較的薄いが、鹿避け柵を越えると背丈を越える笹藪。新雪後に登ったため頭から雪をかぶりながら籔漕ぎ。標高1550m等高線の山頂(最高部)は東西に細長く明瞭なピークはない。東の肩に三角点があるはずだが雪で寝た笹で確認できなかった。

 今回は西股山と卒塔婆山をまとめて登ったが、林道歩きが非常に長く時間と体力が必要なため、通常は別々に登った方が良いと思う。


ルート図。クリックで拡大表示


林道起点にゲートあり 渓流釣りが盛んらしい
林班界地図。林道も書かれている
最初の橋で左岸に渡る 林道は除雪されている
2つ目の橋で右岸に渡る 3つ目の橋で左岸に渡る
意外にも卒塔婆山の文字が!(でも嘘) ここにも卒塔婆山の文字(下山時使用)
山ノ神林道分岐の造林小屋 除雪は右岸の林道のみ
黒沢沿いの林道は未除雪 間違って一つ手前の橋を渡ってしまった
正しいのはこの林道(直進) 地図に書かれていない林道が分岐
黒沢を右岸に渡る 林道分岐を右に(白川林道支線)。かなり雪が深まってきた
標高1500mで休憩 自分の足跡
地形図ではもう林道は終わっているがまだ続く 林道は町村界尾根に上る
町村界尾根を越えて西に向かう 木曾御嶽は雪雲の中
ここから斜面に取り付く 細い灌木が生える
檜植林が増えてくる ほぼ檜植林
西股山山頂。檜植林に覆われる 東に下山開始
下る まだ林道ではない
林道に出た 町村界尾根。笹が茂る
町村界尾根南斜面も笹藪 また林道で休憩
分渡沢白川林道分岐。ここから卒塔婆山へ向かう 除雪はされていないが南斜面なので雪は少ない
いい道が続く「 林道から見た卒塔婆山。植林らしい
山頂真南付近で廃林道に入る がれき置き場
がれき置き場より先でさらに廃林道は荒れる 廃林道終点。伐採地入口
荒れた伐採地を登る 小さな沢部部分が籔が少ない
笹地帯に入る 谷間を登る
もうすぐ植林帯 何故か1本だけ残っている
植林直下の急斜面 植林境界には鹿避けネットあり。強引に乗り越える
鹿避けネットを越えると背丈を越える激笹藪 やがて背が低くなり視界が開ける
雪が乗った笹を泳いで稜線へ 卒塔婆山最高点付近。明瞭なピークは無い
卒塔婆山三角点峰(と思う) 下りも笹藪漕ぎが続く
明るい伐採地を目指す 見上げる
伐採地に出た 奥三界岳、井出ノ小路山方面
伐採地を見下ろす 雪雲がかかった中ア
林道に出て刈り払われた作業道入口から下る 最初は道は明瞭
徐々に薄くなる この付近は目印が無いとルート判別困難
ルートが消えて適当に下る 再び伐採地登場
伐採地境界の作業道を下る 振り返る
林道に出た。往路でも見た標識 京大設置の地震計。数か所あった
滝の名前だったか? 林道通行の許可って出るんだろうか??


 西股山は阿寺山地で木曽川の飛び出したピークで山名が記載された中では最高峰。登山道はなくこの標高で阿寺山地では笹藪必至だが、山頂近くまで林道があり、これを利用すれば籔漕ぎの距離は短くて済む。南斜面なので笹が濃そうだが・・・。林道は黒沢沿いにあるが起点にゲートがあるのは確認済みで、片道10km以上を歩かねばならない。ネットで記録の有無を検索したが、ヒットした1件はアクセス不能だった。

 ゲート前は広く駐車可能。施錠されたゲート横の通用口?をくぐって長い林道歩きを出発。今も弱い雪が降っているが昨日はここでも本格的に雪が降ったようで林道は白いが、この標高では積雪は数mmしかなく問題ない。歩き出して10分程度で林班案内図があり林道名も出ていた。それによると西股山近くまである林道は白川林道支線と呼ぶようだ。あちこち分岐する林道名も書かれていた。

 橋を渡る個所では地形図を見て現在位置を確認、3つ目の橋で目的の林道は右に曲がるが、そちらは「白川林道」、このまま直進は小川殿林道だった。一度高度を上げてヘアピンカーブを曲がると傾斜が緩む。少し進むと「至卒塔婆山 200林班」の標柱が立った作業道入口。まさか卒塔婆山山頂まで道があるのか? いや、たぶん200林班に至る道なのだろう。そこから10分ほど進んだところにも形状は異なるが同じ表記の看板が。帰りに確認してみるかと思ったが、よく考えたら別の林道から登るのだからこの作業道を使うかどうかわからない。

 地形図に小屋マークがある分岐には小さな造林小屋。分かれる林道は山ノ神林道だった。除雪は山ノ神林道がされていて、西股山に向かう林道は積雪だ。次のベロ沢林道分岐の橋を目的の林道が右岸に渡る橋と間違えて入ってしまったが、地図と道の付き方が違うことに気づいて10分程度のタイムロスで済んだ。

 林道が右岸に移ると北斜面に変わり積雪が一気に増えて足が重くなり、出発から3時間以上経過しているので休憩、ワカンも装着。多少楽になったが軟雪区間は足が重い。周囲は唐松植林で落葉し、斜面に付いた林道がどう延びているのか見えたが、地形図の終点よりも先、沢を渡った先にも林道がつながっていた。沢を回り込んで南斜面に入ると雪の量は減って雪質が締まり歩きやすくなった。ここから山頂目指すのが最短距離だと思われるが南斜面は笹が露出しており、王滝村との境界尾根まで上って、残雪があるだろうその北斜面を登るのが正解と考え林道を進む。鞍部よりやや西で境界尾根を乗り越え、等高線に沿って林道は進む。北側斜面は予想通り残雪に覆われ笹は見えないが、もう少し西に進んで山頂が近付いてから林道を外れて斜面に取り付く。

 この付近は大規模に伐採した後、植林せずに放置して自然に木が生えた状態のように感じられ、シラビソ、ダケカンバ、その他の落葉樹の細い木が密生していた。シラビソの葉には新雪が積もって枝に触れば頭から雪を浴びるため、できるだけ落葉樹の隙間を選んで登っていく。雪質は最悪化と思いきや、新雪はあるがその下の雪は締まって歩きやすかった。

 標高が上がると檜植林に変貌、僅かに笹が顔を出しているがほぼ完全に雪に埋もれ障害物ゼロ。山頂部はなだらかで顕著なピークはなく、GPSの表示と木に巻きつけられた目印で場所を特定。積雪で三角点の確認は不可能だった。周囲は檜植林に囲まれて展望も日差しもない。休憩するには寒い場所なので林道に戻って日向で休むことにし、往路より少し東寄りに下って林道に出て、町村界稜線を南に下ったカーブで休憩。この時間帯は日差しがあり、ザックを下敷きにして横になったら30分くらい寝てしまった。

 時間も体力も予想以上に消耗したので卒塔婆山は割愛しようかとも考えたが、せっかく長い林道歩きをしたので2度手間にならないよう計画通り片づけることに。造林小屋を通過して「分渡沢白山林道(上重沢林道)」に入る。除雪されていないが南斜面なので雪は少なく足が軽い。標高1400m手前で横移動に変わり、その後下り始めた。GPSで山頂までの方位、距離を見ながら取り付き場所を考えていると右斜めに上る廃林道発見。林道の逆側(下り方向)は刈り払われた作業道があったが、その続きの上り方向には道が無い。廃林道がその代わりの可能性もあるとの考慮もあった。

 廃林道は100m程度の短距離でがれきの置かれた平地の先で終わり、鹿避け柵に囲まれた伐採地が続く。伐採地の籔は少なく、柵内部に入るドアがあったので内部に入って茨籔を抜けて斜面を登る。僅かな水が流れるごく小さな沢沿いが最も籔が薄いのでそこを選ぶが、やがて笹藪に突入。しかし標高の影響か高さは腰から胸で高密度ではなく、視界が得られるのも助かった。

 できるだけ籔が薄い個所は小さな谷間で、疲れた足で登っていくと伐採地最上部で再び鹿避け柵登場。それより上部は背の高い檜植林に変わると同時に背の高く高密度の笹藪も登場。立ち木を利用してどうにか柵をよじ登り、笹藪をかき分け始めるが新雪が乗って雪を被るようになり、ゴアを着たが手袋と袖の間から雪が入るため、カバーが長いオーバーミトンを追加装着。雪対策はOKになったが踏みつけた笹の上に乗りながらの籔漕ぎで頻繁に足が滑ってコケる。

 伐採地との境界付近が最も籔が深く苦労するが、進むにつれて徐々に薄くなり調子が上がってくる。笹の高さも低くなって視界が開け、籔の薄い所を狙って登れる。谷間を登ってきたので左右両方に高みが見えるがまずは西側に向かう。稜線に出て傾斜が無くなると格段に籔漕ぎが楽になる。GPSの表示によると三角点までの距離は東に約200m。ピークは東西に長く最高点は不明確だが、とりあえず一番高そうな場所に立つ。発達した檜植林で全く展望なし。標識や目印も皆無だ。目印をつけようとしたが檜が太すぎて無理だ。地形図上の最高地点を後にして三角点を確認するため東へ進む。

 笹藪でも傾斜の無い横移動は楽だ。新雪は多くはなく雪が埋もれるほどではないので笹をかき分けながらだ。部分的には笹が寝ている個所もあるが立ったままが大部分だ。小鞍部を越えて登った小ピークがGPSの示す三角点の位置だったが、寝た笹と雪で三角点探索は不可能だ。東隣の小ピークに目印が見えたので行ってみたが、地面付近は同様の状況でちょっと探したくらいでは三角点は見つからなかった。

 場所をピンポイントで特定できたわけではないが最高点及び三角点峰は踏んだので納得の下山開始。笹が深くてコケ易いが登りと比べれば大幅スピードアップだ。三角点峰から下ったので南に延びる小尾根に乗ったが、伐採地との境界線上で鹿避け柵が登場。柵の外は笹が深いので再び乗り越えて柵の内側へ。できるだけ歩きやすいところを広いつつ下っていくと往路で辿った小さな沢に到着。その先も籔があるので往路と完全に同じルートではないが、最後は柵のドアにピタリと到着した。林道に戻って休憩。

 次は黒沢沿いの白山林道に乗り移るが、林道を歩くと距離が無駄になるので斜面をショートカットする。目の前には刈り払われた作業道入口があり、これを辿ればたぶん往路で見た「至卒塔婆山 200林班」の2つの看板のうちどちらかに出ると予想。もしとんでもない方向に下ろされそうになったら適当に下ればいい。

 作業道は最初は明瞭だったが進むに従い笹が薄くなると同時に不明瞭になり、目印が無いとルート判別が難しくなり、やがて全く分からなくなった。その頃には発達した檜植林となり籔皆無なので適当に下れたため、作業道は無視して歩きやすい所を下っていった。やがて右手に植林帯が登場、鹿避け柵も登場し、先ほどと状況が似ているが、今度は柵に沿って明瞭な作業道が登場した。辿っていくと林道に到着、往路で2つ目に見た標識の作業道だった。

 あとは淡々と林道を歩くのみ。僅かに残った雪の上の足跡は私のものだけだった。ゲートに到着しても車は私の1台だけ。出発から10時間を越える行動時間は久しぶりで、歩いた距離は20kmを越えて膝が疲れた!


補足にヤマレコの記事もどうぞ(PDFファイル。ここをクリック)

 

都道府県別2000m未満山行記録リストに戻る

 

日付順2000m未満山行記録リストに戻る

 

ホームページトップに戻る